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アブセッククラブ2006.11.30

※ アブセッククラブ ※

【11月30日】「話題」海外のお話・・・・・中西光明さん
     ・第4木曜日 担当 岩見田 糺

 海外で事業展開された経験の中から、オランダをとり上げ、お話しされた。
オランダと言えば、運河、チューリップ、切花、風車、ゴッホ等々が思い浮かぶが、世界的インフラとして、世界一のロッテルダム港と欧州屈指のアムステルダム(スキポール)空港が有名。
 国土は海、干拓地、排水された湖、沼地、水路、運河で造られたパッチワークの国で、国民生活は質素、素食が特徴といわれる。

【国土の特徴】
 殆ど真っ平らな国で、広さは九州と同じくらい。面積の25%は海面下にあり、堤防が無かったら国土の65%は水で覆われる。最も高い地点でも321mに過ぎない。ヨーロッパの主要河川であるライン川、マース川、ワール川が運んできた土砂によって出来た三角州に国土がある。

【低地と治水】
 国土は海岸線から広がった泥炭の上に土砂が乗って形成されている。
北海側地域には泥炭湿原が広がっており、乾期には牧畜、農業が可能。更に年間を通じて農業・牧畜を可能にするため、水路を作って湿原の水を抜き、干拓地(ボルダー)を作ってきた。
 埋め立てではなく、水を抜いて作った干拓地である。その影響で、百年間当り15〜20cmの割合で地盤が低下しており、現在は温暖化による海面上昇の脅威に晒されている。

【20世紀の国家治水プロジェクト】
1.ゾイデル海計画:締切堤防(H7.8m,W90m,L60Km)を作って湾を封鎖し、一部干拓地、一部湖となった。湖の水は淡水化され、飲料水となっている。

2.デルタ計画:南西部の三角州地帯に、大洪水対策として巨大なダム
(堤防)を建設し、海の干満とライン川などの河川とを切り離した。

【水の管理】
 各州(12州)毎にウオーターボード(水域管理当局)が組織され、地方自治体と同じ位置付けに規定され、対象地域内の水域管理のみを行っている。任務は治水、水量、水質及び水路・道路管理である。

【水との戦い】
 オランダは干拓のため、過去800〜1000年の間に土地が2〜3m沈下した。温暖化で海面水位が上がれば国土の2/3が洪水になるという。
オランダの水との戦いは終わりなき戦いである。
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